「渋田玉秀いけばな」のテーマは「いつでもどこでも手に入る身近は花材を生けてみる」ですが、それ以外にも、普通は生け花に使わない、花屋さんには売っていない花材も生けていきます。
2月は早春の花材を使って生けてみましょう。
いけばなは、寺の仏花を自宅の床の間でも生けられないかという発想で、室町時代に池坊が創立したのが始まりです。明治になって小原流、続いて草月流が創設され、華道三大流派として今に至っています。東京は7月が新盆ですが、地方のお盆は8月。3月と9月にはお彼岸があります。菊・竜胆・カーネーションの仏花おなじみの花材をいけばなとして生けてみてもよし、ご先祖様もいつもの花では飽きてきてしまっていると思いますので、たまには違ったいけばな仏花も良いですよ。いつもと違う花で仏壇いけばなを楽しみましょう。
現在は昔と違い、マンションやアパートなど床の間のない家もあります。玄関の靴箱の上などに飾ることになれば、大きい花器や瓶では無理ですので、時代に合った生け花を楽しみましょう。
春は何といっても「桜」ですね。河津桜/啓翁桜からはじまり八重桜/紅枝垂桜までいろんな桜を生けてみましょう。
夏から秋にむけて使われ、「秋の七草」でもある薄は、いけばなの世界では、8月までは「ススキ」、9月からは「尾花」といわれます。覚えておきましょう。尾花は夏から晩秋まで活用できる花材です。夏は「風」を表現します。秋が深まるにつれ、折って枯れた感じを出していきます。最後は晩秋から初冬の「冬枯れ」で完了します。
早春から晩秋まで生けられる花材として「燕子花」は格の違いが感じられる花材です。「様式」や「琳派」などいろいろな生け方があります。一度は生けてみてはいかがでしょうか。睡蓮、河骨も「水もの」として生けてみましょう。
冬の生け花で欠かせないのは「椿」です。晒物と合わせて「雪椿」を表現してみましょう。